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ごあいさつ

 徳山大学総合研究所は1971(昭和46)年5」月、前身の「総合経済研究所」として設置され、数多くの内外の研究者の拠点としての役割を果たしてきました。山陽新幹線の岡山・博多間が開業したのは、3年後のことです。今では瀬戸内工業地域が成立したのは、遠い昔のような感じですが、その頃は、終戦の詔書が読み上げられたあの日から、まだ25年半しか経っていない時期です。

 私事ですが、父は国鉄広島鉄道管理局施設部に勤務していた時代で「周防富田ヤード」の建設に携わった時期に重なり、「周防富田駅(現、「新南陽駅」)」南側構内に広大な世界最新鋭の自動貨物列車編成措置による操車場を建設しました。とりわけ旧徳山市や旧新南陽市の各企業様の引き込み線をいったん切って、新軌道につなぎ変える作業は地元の皆様にも多大なご協力をいただいたことにより完成したものです。鉄道は経済の動脈とも言われます。最近ではコンテナ貨物が見直され、コンテナ特急列車による輸送が今、隆盛期を迎えています。その物流の中心が「旧周防富田駅」にあったことをおぼえてくださっている方は多いと思います。瀬戸内工業地域は海軍関連の軍需産業から、旧徳山曹達(現、株式会社トクヤマ)、出光、東洋曹達(現、東ソー)をはじめ、多くの民間企業の血のにじむような努力の積み重ねにより形成されてきました。今日では周南市民一人当たりの工業出荷額は県内随一となり、山口県の中心としての役割は日増しにその重要性を高めています。

 人が経済の礎であり、その向こうに社会、政治がある。1971年度にノーベル経済学賞を受賞した米シカゴ大学教授のサミュエルソン博士は「経済学は社会科学の女王である」と言っているように、本学ではその経済学を軸として、経営学にも強く、特に最近では米国コーネルなどを中心として発展してきたスポーツマネージメント学も盛んになり、中四国・九州でも特色を持った大学として注目されるようになりました。また福祉情報学という新しい研究教育を行う学部もあり、心理学を中心として高いEQ力を持つ福祉人材の育成は、まさに少子高齢化が進む地域の要請に応える中で発展してきました。

 来年、本学は開学50周年の年を迎えます。市内には株式会社トクヤマのように100年を超える歴史を持つ企業があります。わたくしたちもそうした地域の先人の偉業を一つ一つ集積・蓄積し得るセンターとしての機能をさらに発展させ、地元の企業や市民の皆様のお役に立てる研究活動の拠点としての役割を強化していきたいと存じます。

徳山大学総合研究所

所長 紙矢 健治 博士

香港珠海学院文学博士(1998-2001)
国立中山大学法学修士(1991-1993)

−総研からのお知らせ−


new!! 2019年3月
・徳山大学総合研究所『紀要』(41号)を発行。
 徳山大学総合研究所『紀要』(41号)
 徳山大学総合研究所『紀要』(40号)
 徳山大学総合研究所『紀要』(39号)
 徳山大学総合研究所『紀要』(38号)
 徳山大学総合研究所『紀要』(37号)
 徳山大学総合研究所『紀要』(36号)
 徳山大学総合研究所『紀要』(35号)
 徳山大学総合研究所『紀要』(34号)
 徳山大学総合研究所『紀要』(33号)
 徳山大学総合研究所『紀要』(32号)
 徳山大学総合研究所『紀要』一覧


2011年4月
・総合研究所の地域研究事業として、「周南市の小地域別人口」についての研究成果が纏められました。  周南市小地域別人口研究


2011年2月
・総合研究所の地域研究事業中国地方の地形環境は、中国地方5県の様々なタイプの地形とその環境について、野外調査と文献調査を行い、その位置や形状、規模、成因、重要度や稀少性、保存度などについてデータベースを作成し、徳山大学総合研究所『紀要』に順次掲載してきました。
 今回、上記データベースに野外調査で得られた現地写真などを新たに加え、ホームページに公開しています。


2010年3月
『高橋財界月報』目次(プランゲ文庫分)を掲載しています。 『高橋財界月報』第8巻の目次(PDF)も掲載されています。


2010年3月
・総合研究所の地域研究事業:高橋亀吉に関連する文庫・文書について紹介した
「高橋亀吉文書について」『紀要』第31号を掲載しています。