山口49  伊陸の谷中分水界
県位置コード 名  称 コード
山口49 いかち Flu-divv-1-1-YAGC
伊陸の谷中分水界
地形種 地形項目 重要度 規模 保存度
河川地形 谷中分水界・河川争奪 C
所 在 地 図 幅 名
山口県 柳井市伊陸 2.5万 上久原(広島)
    解  説
 
 柳井市街地の北約7kmの内陸にある小盆地伊陸にある谷中分水界。伊陸周辺は,標高300〜500mの花崗岩質の山地が分布し,その山麓部には200m以下の丘陵〜丘陵性山脚が広がっている。伊陸盆地はそれらの丘陵や丘陵性山脚に囲まれた,標高90m程の小盆地である。
 盆地底のほぼ中央部,東宮ヶ原集落の付近に谷中分水界があり,ここを境に西〜北西方向へは島田川支流四割川が緩やかに流下し,一方,東方向へはやや急な勾配で由宇川が流下している。両河川はともに瀬戸内海に注ぐ小河川である。
 この谷中分水界は,東側から侵食を進めてきた由宇川が島田川の支流四割川の上流部を争奪することによって生じたと考えられる。盆地中央を北東−南西方向に比高約2mの不明瞭な崖線が走る。崖線の北西側は四割川の風隙に相当し,南東側の由宇川河床からは低い段丘地形となっている。東宮ヶ原集落はこの崖を横断する道路に沿って立地している。争奪された旧島田川の上流域は,砂礫層からなる段丘や定高性のある丘陵の分布から,柳井市街地の北部にそびえる琴石山(標高545.2m)の山麓付近まで広がっていたと考えられる。
 


1 集落のある小段丘上は四割川流域、手前の低地は由宇川流域


2 集落付近がわずかに段化し、分水界をなす