山口48  大土路の河川争奪
県位置コード 名  称 コード
山口48 おおどろ Flu-pira-1-3-YAGC
大土路の河川争奪
地形種 地形項目 重要度 規模 保存度
河川地形 河川争奪地形・風隙・谷中分水界 C
所 在 地 図 幅 名
山口県 佐波郡徳地町大土路 2.5万 大原湖(山口)
    解  説
 
 徳地町大土路付近で,瀬戸内海に流出する佐波川の支流下の谷川が,日本海に流出する阿武川の支流朴川の上流域を争奪している。
 風隙にあたる大土路付近は,標高310〜330mで,山脚の間を緩やかに湾曲する、幅広い谷底を持つ谷地形となっている。谷の中央部を北西に流下する朴川は,谷幅とは不釣り合いな小さな流れとなっている(無能河川)。谷の中央を走る国道489号は,谷底の最高点(標高328m)を境に朴川側は緩やかに下り,下の谷川側は急坂となって下っている。この地点が谷中分水界である。
 佐波川本流の河谷には,顕著な段丘地形が発達している。佐波川と下の谷川の合流点より上流側には,段丘崖の比高90〜100m,段丘面の標高320〜330mの横山段丘がある。さらに,佐波川本流の上流部,徳地町柚木付近(河内谷・平岩谷)にも,山脚にへばりつくように20〜30mの比高を持つ段丘が見られる。段丘面の標高は350m程度である。これらの段丘面は旧朴川の形成した河床面と考えられることから,支流下の谷川のみならず,佐波川本流も朴川の上流域を争奪したと考えられている。