山口34  雨乞山山腹の地滑り地
県位置コード 名  称 コード
山口34 あまごい Str-slip-1-1-YAGC
雨乞山山腹の地滑り地
地形種 地形項目 重要度 規模 保存度
地質を反映した地形 地滑り地 *B
所 在 地 図 幅 名
山口県 大津郡油谷町・日置町 2.5万 長門古市(山口)
    解  説
 
 本州北西端の半島・向津具半島には多数の地滑り地形が分布している。特に半島中央部を東西に延びる雨乞山山体(最高峰は標高347.0mの雨乞山)の南北斜面には,多くの第三紀層地滑りが分布する。
 第三紀層の礫岩・砂岩・頁岩層の上に,更新世に噴出した緻密な玄武岩(一部は第三紀の安山岩)がキャップロック状に覆っている。地滑りは玄武岩と第三紀層の境界部を中心に発生しており,ここに規模の大きい滑落崖が残され,滑落崖下に凹地や池が形成されている。滑落崖から下方の緩斜面となる第三紀層地帯には,やや小規模な二次的地滑りが発生しており,それによって生じた滑落崖や地滑り凹地・池(人工の堰き止めによるものを含む)が多数分布している。また,崩落したり,滑動したりした土砂の堆積地形も各所に見られる。
 このような硬い玄武岩が柔らかい第三紀層の上にキャップロック状に載る場所で生ずる地滑りは,長崎県北部から佐賀県北西部の北松浦半島に広く分布することから,「北松(浦)型地滑り」とも呼ばれている。
 緩斜面上では水田が拓かれ千枚田をなしている。地滑り地には集落や道路もあり,昭和47年や昭和55年の集中豪雨によって,大きな地滑りが発生し,被害を生じた。地滑り指定地となり,対策工事が施されている。
 


1 雨乞山山腹


2 雨乞山山腹


3 雨乞山北斜面


4 地滑りの露頭


5 地滑りの露頭