鳥取32  妙徳寺の河川争奪
県位置コード 名  称 コード
鳥取32 みょうとくじ Ful-pira-1-2-TOTT
妙徳寺の河川争奪
地形種 地形項目 重要度 規模 保存度
河川地形 河川争奪地形 C
所 在 地 図 幅 名
鳥取県 気高郡鹿野町 2.5万 鹿野(鳥取16-3)
    解  説
 
 湖山川(長柄川)の上流部は,かつて鳥取市の妙徳寺から北の吉岡温泉町へ流れていた。それが向山の北側の地点で湖山川へと流れるようになった。
 文禄2年(1593)の高麗水という大洪水を機に長柄へ流下するようになったという文書がある。しかし,向山の北の水路はもともと存在し,時に長柄へ,時には吉岡温泉側へと流れていたものが,この洪水で,現在の水路に定常的に流れるようになったと考えられる。いずれにしても,争奪の時代はかなり新しい。湖山川は向山の北で平野面を数m切り込む峡谷となって長柄へ流れ込んでいる。幕末には,湖山川から吉岡側へ農業用水路が敷設されている。
 吉岡断層は争奪地点の約1km北にあり,争奪の直接的な原因とはならないが,垂直的な変位による侵食力の差が影響していると考えられる。 
 
 


1 妙徳寺の河川争奪(争奪された河川の谷底平野)


2 争奪した湖山川の河谷