広島98  八幡湿原
県位置コード 名  称 コード
広島98 やわた Mis-pond-2-1-HIRO
八幡湿原
地形種 地形項目 重要度 規模 保存度
その他の地形 中間湿原 C
所 在 地 図 幅 名
広島県 山県郡芸北町 2.5万 臥龍山(浜田)
    解  説
 
 八幡高原は広島県の北西部,島根県境の芸北町にある標高730〜850mの高原で,周囲を臥竜山・掛頭山・大佐山・高岳などの1000〜1200m級の山々に囲まれた,南北8km,東西1〜4kmの盆地状の高原である。盆地周辺の台地には湖沼堆積の地層が残されており,厚いところで13mに達する。かつては,盆地底には泥炭が厚く堆積した湿原が広がっていたが,現在では,ほとんどが水田化され,盆地周辺部に散在するのみである。八幡湿原は,これら残存湿原群を指し,その中では奥尾崎谷湿原(約1.8ha)が最も広い。
 八幡湿原は,国内の中間湿原では南限にあたるとされており,マアザミ−ヌマガヤ群落やカキツバタなどの分布で知られている。昭和12年(1937)カキツバタの群生地は「アヤメ池湿原」として県の天然記念物に指定されたが,昭和50年(1975)水田開発などのため分布域が減少し,指定が解除されている。現在,東八幡原では,昭和30年代前半頃の湿原生態系の再生を目指す事業が構想されている。
 一帯は,西中国山地国定公園に属している。奥尾崎谷湿原には,木道などが整備されており,湿性植物などの自然を観察できる。この湿原周辺は,県の自然環境保全地域に指定されている。
 
 


1 八幡湿原(中間湿原)


2 八幡湿原(カキツバタ)