広島67  古川
県位置コード 名  称 コード
広島67 ふるかわ Flu-old-1-1-HIRO
古川
地形種 地形項目 重要度 規模 保存度
河川地形 旧河道 *D 中線
所 在 地 図 幅 名
広島県 広島市安佐南区 2.5万 祇園(広島)
    解  説
 
 広島県西部の山地より支流を集め,峡谷を蛇行しながら東へと流下した太田川は,広島市可部町付近に達すると,北東−南西方向の構造性の谷に入り,谷底平野を広げて,南西へと流下し,河口に三角州を形成し,広島湾に注いでいる。可部町付近から三角州までの間は,扇状地〜自然堤防・後背湿地からなる地帯で,洪水に伴ってしばしば流路を変えてきた。古川はこのような旧河道(旧流路)の中で最も顕著なものである。
 現高瀬堰付近から分派した古川は,谷底平野の西寄りに流路をとり,古市付近で西方から流下してきた安川を合わせ,モノレール(アストラムライン)の祇園新橋の北で,現太田川の流路に重なる,全長約7kmの旧河道である。江戸時代の慶長14年(1609)の洪水発生までは,この流路が本流として機能しており,その後は,現在の川筋が本流となったと言われる。
 古川は,大きな中州を抱えた分流(派川)となっており,洪水時には大量の水が流れ込むため,水害の被害を受けやすい。同時に,一帯の排水機能をも担っていた。このため,古くからの集落や街道の町屋は,洪水を避けるため自然堤防上に立地した。流れの停滞しやすい古川は,昭和30年代後半から,工場や生活排水によって水質がかなり悪化した。現在,上流の約1.7km区間は,水に親しむことができる公園(「古川せせらぎ公園」と呼ばれる)として,国・市・市民団体によって,施設整備や環境美化・保全の事業が進められている。 
 
 


1 古川(安川合流点付近から下流方向)


2 古川(左手より安川が合流する)


3 親水公園化された古川