広島55  西条町一帯の埋積谷
県位置コード 名  称 コード
広島55 さいじょう Flu-bury-1-3-HIRO
西条町一帯の埋積谷
地形種 地形項目 重要度 規模 保存度
河川地形 埋積谷 C*
所 在 地 図 幅 名
広島県 東広島市 2.5万 白市・安芸西条・清水原(広島)
    解  説
 
 西条盆地は,標高400〜600mの山地に取り囲まれた東広島市西条町一帯に広がる東西約12km,南北約10kmの盆地である。盆地中央部には,二神山(標高313.0m)や鏡山(標高335m)などの小山体が,東西方向に配列し,盆地を北部と南部に分けている。呉市広で瀬戸内海に流入する黒瀬川とその左支流古河川(上流は温井川)が,盆地北部をほぼ北から南に流下し,盆地南部で東西に向きを変え合流している。
 北部の盆地底は,きわめて平坦で,黒瀬川は盆地底をほとんど開析していない。そのため,かつてこの盆地に存在した湖の湖底面が,ほぼ現在の沖積面となっている。盆地中央部の小山体の東に吾妻子の滝(黒雲母花崗岩からなる。落差約20m)が懸かっており,この部分が黒瀬川の上流域への侵食を食い止めたと見なされている。盆地底には,湖成堆積物(礫・砂・シルト・粘土)からなる西条層(50〜70万年前,西条湖成層とも呼ばれる)が堆積している。遷急点より下流の盆地南部は,黒瀬川・温井川によって湖底面が谷頭侵食を受け,広い範囲にわたって規模の大きい段丘地形が形成されている。
 北部盆地一帯は,かつては水田地帯が広がっていたが,広島大学の移転や広島都市圏の拡大により,都市的土地利用に変容しつつある。
 
 


1 西条町一帯の埋積谷(西条下見付近)


2 同上(右方)