広島44  原田付近の河川争奪
県位置コード 名  称 コード
広島44 はらだ Flu-pira-1-2-HIRO
原田付近の河川争奪
地形種 地形項目 重要度 規模 保存度
河川地形 河川争奪地形 *C
所 在 地 図 幅 名
広島県 高田郡高宮町 2.5万 安芸横田(浜田)
    解  説
 
 三次盆地の南西約15km,小起伏山地〜丘陵に囲まれた小盆地の中にある河川争奪。江の川支流本村川が同じく江の川下流部支流生田川の支流宮迫川の上流域を奪っている。争奪面積は,60.87km²と見積もられている。
 かつて,宮迫川は標高400m台の小起伏山地から300m台の丘陵性山地中を緩やかに流下し,東西に細長く,下流で北へ短く曲がったL字型の盆地を形成し,生田川に合流していた。宮迫川の河床は,2つの遷急点の上流にあり,河川争奪の生じた原田付近で標高275mである。一方,小盆地の南東部山体を開析して来た本村川は,甲田町甲立で江の川の上流(可愛川)に合流する支流で,しだいに南東部山体の谷頭侵食を進め,ついに盆地南東端に到達した所(原田付近)で,宮迫川の上流域を奪ったと考えられる。
 現在の本村川の両岸には,かつての宮迫川の河床面と推定される河岸段丘が,盆地に沿って連続的に分布している。段丘面の標高と河床面からの比高を見ると,風隙部では標高275m・比高30〜40m,盆地西の上流部では標高310m・比高10m程度となっている。
 盆地の南山麓を中国自動車道が通っている。段丘面上は,大部分が田や畑となっているが,風隙部の西では,段丘面から小起伏山地にかけて,規模の大きな観光施設が設けられた。
 
 


1 原田付近の河川争奪(架橋工事部が争奪河川本村川の河谷)


2 同上(右手)


3 争奪で取り残された宮迫川上流の旧谷底