広島29  猿鳴峡
県位置コード 名  称 コード
広島29 えんめい Flu-cany-1-3-HIRO
猿鳴峡
地形種 地形項目 重要度 規模 保存度
河川地形 峡谷 D
所 在 地 図 幅 名
広島県 福山市,神石郡三和町・豊松村 2.5万 小畠(高梁)
    解  説
 
 福山市北部から神石郡三和町にまたがる峡谷で,高梁川支流小田川の上流にある。「山野峡」とも呼ばれる。
 上流の三和町矢名瀬集落付近から,小田川に左支流矢川が合流する福山市田原集落付近までの間(約11km)は,小田川が屈曲を繰り返しながら南流し,小起伏の山頂面を持つ高原状山地(標高約500〜600m)を侵食し,深さ150〜300mの峡谷を形成している。谷底平野の発達はほとんど見られない。一帯の地質は,二畳紀の粘板岩や石灰岩・緑色岩,三畳紀の礫岩・砂岩・泥岩,白亜紀の高田流紋岩類などで構成されている。
 猿鳴峡は,準平原面である吉備高原を小田川が侵食し形成した幼年期のV字谷である。小田川に田原集落で合流する矢川の支流下原川にも「龍頭峡」と呼ばれる峡谷が発達している。龍頭峡は,猿鳴峡に比べ峡谷の規模は小さいが「龍頭の滝」「四段の滝」や早瀬などがあり,変化に富む。
 隣接する龍頭峡(県の名勝に指定されている)とともに山野峡県立自然公園に指定(昭和42年)されている。峡谷に沿って遊歩道(中国自然歩道)が通じて,ハイキングコースとなっている。峡谷下流部にはキャンプ場がある。