広島28  帝釈峡
県位置コード 名  称 コード
広島28 たいしゃく Flu-cany-1-2-HIRO
帝釈峡
地形種 地形項目 重要度 規模 保存度
河川地形 峡谷 D
所 在 地 図 幅 名
広島県 比婆郡東城町・神石郡神石町 2.5万 帝釈峡(岡山及丸亀)
    解  説
 
 広島県の北東部,比婆郡東城町から神石郡神石町にかけては,石灰岩を主とする台地(帝釈台)が広がる。帝釈台は,中国山地に広く分布する標高500〜600mの小起伏地形(吉備高原面)の一部をなす台地である。その中央部を高梁川支流帝釈川が南流しており,ここに一大峡谷(帝釈峡)を形成している。峡谷は全体で南北約18kmに達する。
 帝釈峡は,台地面を100〜150m下刻し,峡谷中には我が国最大の天然橋「雄橋」や「雌橋」,近年再発見された「幻の鍾乳洞」や「白雲洞」「天川洞」「荒瀬洞」などの鍾乳洞,「鬼の唐門」「面抜」などの溶食洞門,「太郎岩」「次郎岩」といった石灰岩岩壁,岩壁基部のノッチ状溶食地形,「そうめん滝」「断魚渓」などの滝や急流,石灰岩の様々な岩相や古生代の化石などが各所に見られる。
 峡谷は,戦前に建設された帝釈川ダム(神竜湖)を境に,上流側を「上帝釈峡」,下流側を「下帝釈峡」と呼んでいる。上帝釈峡は,峡谷に沿って遊歩道があり,峡谷の地形や地質の観察が比較的容易であるが,下帝釈峡は,峡谷の中に遊歩道はなく,河原や瀬そのものを歩かなければならない。しかし,峡谷の自然美はよく残されている。
 大正12年(1923)3月,「帝釈川の谷」として国の名勝に指定された。帝釈峡の名称は,帝釈峡上端の集落にある永明寺の「帝釈天」に由来すると言われている。
 
 


1 帝釈峡(チチハラ北)


2 帝釈峡(立石滝)